男40歳からのダイエットに必要な基礎代謝の知識

男40歳からのダイエットに必要な基礎代謝の知識

「加齢によって基礎代謝が落ちて太りやすくなる。」という話をよく聞きます。40歳以上の我々にとっては厳しい話です。また、「筋力トレーニングをして筋肉を増やすと基礎代謝が増えて、同じ生活をしていても脂肪が燃焼されやすい『痩せ体質』になって痩せる。」という話もよく聞きます。

筋肉さえ増やせば寝ていても痩せるという朗報でしょうか?

残念ながら、そんなことはありません。唯一絶対のダイエット方法は食習慣の見直しです。無駄な動きをしないでダイエットを成功させるために40歳以上の男性が必ず知っておかなければならない基礎代謝のことを実体験に基づいてお伝えします。

1.基礎代謝とは

基礎代謝とは、何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動で必要なエネルギーのことです。相当するエネルギー量(熱量)は、成長期が終了して代謝が安定した一般成人の男性で約1,500kcalとされています。

①年齢による基礎代謝量の違い

「加齢により基礎代謝量が減って太りやすくなる。」といいますが、一体、どれだけの違いがあるのでしょうか?30~49歳と50~69歳を比較してみましょう。

30~49歳の1日の基礎代謝量が1520kcal、50~69歳の1日の基礎代謝量が1380kcalですので、1日の基礎代謝量の差は140kcalです。

体重1kg分のカロリーの目安として7000kcalという数字があります。1日140kcalの基礎代謝量が少なくなるということは1年で51,100kcaになります。体重に換算すると7.3kgです。基礎代謝量が落ちる前と同じ生活をしていると体重が1年で7.3kg増える計算になります。確かに無視できない数字です。

年齢による基礎代謝量の表

②臓器・組織の基礎代謝量の構成比

筋力トレーニングをして筋肉を増やすと基礎代謝が増えて、同じ生活をしていても脂肪が燃焼されやすい『痩せ体質』になって痩せる。」という話を確認しましょう。人間の基礎代謝量の内の78%は私達が無意識に内臓を動かしたり、血液を流したりしているもので、私達が意識的に増やしたりできるものではありません。

確かに筋肉量を増やせば基礎代謝量は増えます。筋肉量が1kg増えた時の1日の基礎代謝量の増加は13kcalです。1年で4,745kcalになります。体重1kg分のカロリーの目安7000kcalという数字を使って体重に換算すると0.68kgです。

因みに、筋肉量を1kg増やすには有能なボディービルダーでも1年近くかかるそうです。

筋力トレーニングを否定するつもりは全くありませんが、少なくとも「基礎代謝量UPダイエット」は完全に否定せざるを得ません。

臓器・組織の基礎代謝量の構成比の表

2.運動によるカロリー消費

夢の「基礎代謝量UPダイエット」が完全に否定されてしまいましたので、運動によるカロリー消費を確認してみましょう。1日に消費される総エネルギーの内、約60%が基礎代謝で約30%が身体活動量です。この身体活動量を増やせば痩せるという考え方が運動によるダイエットですよね。

運動による消費カロリーの表

①続かない運動によるダイエット

私も若い時からスポーツジムに通ったり、ウォーキングをしてみたり、鉄アレイを買って筋力トレーニングをしてみたり、色々と運動によるダイエットを試みましたが、成功したことは一度もありません。食事制限による一時的なダイエット(その後リバウンドしました)の成功は何回も経験がありますが、運動によるダイエットは、一時的な成功も一度もありません。

更に、食事制限によるダイエットに成功したのは、食事制限のみのダイエットにした時だけです、食事制限と運動によるダイエットを同時にした時にダイエットに成功したことは一度もありません。

理由は簡単です。続かないからです。よく続いて数か月、1週間も続かないことも珍しくありません。

例えば、比較的準備なしでできそうな腹筋運動の1時間のカロリー消費量が647kcalですので、1日の基礎代謝量の減少した分140kcalを補うには13分間の腹筋運動が必要です。私はとても続けられません。1日でもできないと思います。

しかも、1年や2年続ければいいわけではありません。数十年、言い方は厳しいですが、理論上は死ぬまで続けなければなりません。

趣味やストレス解消のための運動を否定するつもりは毛頭もありませんが、運動によるダイエットの成功が現実的でないのは明らかです。

②おすすめの階段昇降

そうは言っても、実は私自身が習慣として続けている運動があります。「階段昇降」です。「階段を見たら喜べ」が合言葉です。通勤や外回りの営業時の駅などでは、可能な限り階段を利用します。

職場の事務所は12階にあります。朝の出勤時のみ12階まで階段を利用しています。また、自宅マンションは6階なのですが、基本的にエレベーターは使用しないようにしています。

階段昇降の1時間のカロリー消費量が425kcalですので、1日の基礎代謝量の減少した分140kcalを補うには20分間の階段昇降が必要です。「階段を見たら喜べ」を習慣にすると日常生活の中で自然と20分間程度の階段昇降ができますので、おすすめです。

3.食事によるカロリー消費

①食事誘発性熱産性

1日に消費される総エネルギーの残り10%は「食事誘発性熱産生(DIT)」と言われるものです(約60%が基礎代謝で約30%が身体活動量です)。

食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)または特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)といいます。[厚生労働省 e-ヘルスネット]より

当たり前ですが、この「食事誘発性熱産生」は増やすことでダイエットになる類のものではありません。

「食事誘発性熱産生」のエネルギー消費量は栄養素の種類によって違います。たんぱく質は摂取エネルギーの約30%、糖質は約6%、脂質は約4%程度になります。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。

「糖質」や「脂肪」に比較して「たんぱく質」を食べた方が太りづらいということは言えると思います。

②基礎代謝を上げる食べ物

「基礎代謝を上げる食べ物」という話があります。大きく分けると「身体を温めて内臓の働きをよくするもの」「脂肪燃焼効果が高いアミノ酸を豊富に含む食べ物」「代謝をサポートするビタミンBを含む食べ物」に分けられます。

「身体を温めて内臓の働きをよくするもの」は「唐辛子、生姜、ねぎ、玉ねぎ、ニンニク、ニラ、ゴマ」などです。

「脂肪燃焼効果が高いアミノ酸を豊富に含む食べ物」は「牛乳、チーズ、カツオ、しじみ、シラス、アジ、レバー、豆類、鶏肉、豚肉」などです。

「代謝をサポートするビタミンBを含む食べ物」は「納豆、大豆、うなぎ、青魚、まぐろ、鮭、卵、牛乳、玄米などです。

その他、糖質、脂質、たんぱく質の代謝促進に役立つヨウ素を多く含む「昆布、わかめ、牡蠣、はまぐり、鮭」などがあります。

さらに、脂肪をつきにくくするリコピン酸を含む「トマト」、脂肪燃焼効果の高い「アボカド」、血液の循環をよくする「カカオ」、体脂肪を燃やすカテキンを含む「緑茶」なども、基礎代謝を高める食べ物です。

これらの食べ物を食べることで「基礎代謝UPダイエット」をするということではありません。

しかし、ここに上げた食べ物は、いずれもダエットの妨げにならない食べ物です(一部、妨げになりそうな食べ物は外しました)。

唯一絶対のダイエット方法である食習慣の見直しにとって、とても参考になる食べ物群です。

4.まとめ

「基礎代謝量を上げる」という話に対する否定的な考え方は、ほとんど目にしません。間違ってはいませんが、ダイエットを目的にした場合の方法としては、あまりにも非効率なことをご理解いただけましたでしょうか?無駄な動きをせずに食習慣の見直しを進めましょう。

最後におすすめのサプリメントをご紹介します。効率的なダイエットは成功率を飛躍的に高めます。
シボヘール

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